舞台演出家・松森望宏と俳優・桧山征翔が立ち上げた演劇ユニット「CEDAR」が、2017年12月に第2回公演として、尾尻征大を新団員に加え、戦後新劇の傑作戯曲『胎内』を上演致します。
生きること、愛することを圧倒的な筆致で描き続けた劇作家 三好十郎
防空壕跡のなかに閉じ込められた、金と欲にまみれた都会の男と女、そして不気味な元兵士の男の三人。脱出するわずかな望みも薄れてゆくなか、死を予感しながら極限状態に追い込まれる三人が、それぞれに語り出す物語は、そして彼らの結末は……。人間の本質と激しい葛藤を描く三好十郎円熟期の作品で、生と死の意味を問いかける凄まじいドラマをお送りします。
本公演は2012年6月に英国シェフィールド国際演劇祭(International Student Drama Festival)において、最優秀演出家賞(松森望宏)・演技賞(北野雄大/円地晶子/今井聡)・音響賞(樋口亜弓)を獲得した作品のリニューアル上演です。フェスティバルでは、イギリス国内の10団体による公演および200以上のワークショップに加え、審査員による選考を経て世界中から選ばれた10団体が招聘され、特別公演を行いました。「胎内」はアジアからの唯一の招聘公演で、劇評では「この作品は第二次世界大戦から4年後に書かれたものだが、2011年日本を襲った大惨事も想起させる」、「この作品には、生き残ること、“人間”として存在することの学びがある」と評価されました。
今回CEDARがお迎えしたのは2012年英国シェフィールド演劇祭で俳優賞を受賞された北野雄大(花岡役)、無名塾の女優で同じくシェフィールド演劇祭俳優賞受賞の円地晶子(村子役)、2016年紀里谷和明監督の「ハムレット」で主役ハムレットを演じ話題を呼んだ室屋翔平(花岡役)、そしてドラマに映画・舞台と近年活躍めざましい瀬戸さおり(村子役)。人間のあり方、その脆さを痛烈に暴き出し、観る者の心に直接響かせる舞台は必見。どうぞご期待ください。本公演はダブルキャストにてお送り致します。さらに、東京公演の前に盛岡での公演も予定しております。
- 作
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- 三好十郎
- 演出
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- 松森望宏
- 出演
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- 北野雄大
- 円地晶子
- 桧山征翔(CEDAR)
- 室屋翔平
- 瀬戸さおり
- 桧山征大(CEDAR)
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自由席
- 3,800円